さて、今回は私が本を益々好きになった一冊の本をご紹介します。
推理小説が好きになった理由
子どもの頃から絵本の読み聞かせや図書館に行って本を読むのが好きでした。
小中高と図書委員に立候補する程には読書も、本が沢山ある空間も好きでした。
いろんな本と出合う中で推理小説が好きになったきっかけは家にあった
はやみねかおるのそして五人がいなくなるでした。
そして五人がいなくなる
語り部は中学1年生になったばかりの岩崎亜衣。学生視点なのでここも読みやすいポイントです。
そんな彼女の家の隣にある人物が引っ越してきます。ここから長い物語が始まります。
古い館に引っ越してきた夢水清志郎は自分の年齢を忘れるほど記憶力が鈍い自称名探偵。
シリーズ1作目の今回は、子どもを次々に消していく怪人伯爵との対決がメインです。
彼と岩崎亜衣やまわりの人物との掛け合いに笑わされながらも奇妙な事件と出会って解決していく姿に小学生の頃の私は憧れを感じました。
謎解きのシーンで読者が置き去りにされることはないので心配しなくても大丈夫です。小学生上級生以上対象なのでトリックそのものは難しく作られていません。ですが物語の構成や時折見せる探偵としての振る舞いは本格派ミステリーに他なりません。
はやみねかおるとは?
1964年生まれの男性小説家です。彼はもともと小学校の教師でしたが、本が嫌いな子どものために
自ら書き始めた結果、1989年に「怪盗道化師(ピエロ)」で講談社の児童文学新人賞に佳作入選し
小説家デビューを果たします。ファンブックでは「もともと本を読むのが好きで、すぐに読むものがなくなるのでだったら自分で書いて読めばいいや」とも語っています。
家族やスタッフへの感謝を綴ったあとがきが記されているのも人柄が出ています。
そして本の最後には
「Good Night,And Have A Nice Dream」
と締められています。一貫性のある作者の言動が独自の世界観を生み出しているのだと思います。
夢水清志郎シリーズ
講談社青い鳥文庫から刊行されている、はやみねかおるの作品で最も有名な推理小説シリーズです。
基本は第1シリーズの主人公である三つ子の中学生岩崎亜衣の視点によって物語は進んでいきます。
続く第2シリーズでは小学6年生の女の子視点になり、より小学生が読みやすい作品になりました。
その特徴はミステリー小説には珍しい、殺人事件の描写が圧倒的に少ないことです。
推理小説としての独特な雰囲気は存分に味わえるのに加えて、後味の悪さもなく1冊最後まで読み切る工夫がなされてます。
登場人物も個性的です。
キャッチーな名前や確立されたキャラクター像が想像力を掻き立て会話を盛り上げてくれるため飽きさせません。
いろんな要素を詰め込みすぎるとわかりにくく読みづらくなりがちですが子どもでもちゃんと理解できます。作者が小学校の教師であった経験が活きているのだと実感します。
まとめ
はやみねかおる先生の作品はこのシリーズだけでなく、
「怪盗クイーンシリーズ」「虹北恭助シリーズ」「都会のトム&ソーヤシリーズ」
他にも魅力的なキャラクター溢れる作品が多数あります。
子どもが読みやすい本にするための工夫が詰まっていて読み始めたら一瞬で読み終えるほど夢中にさせてくれます。
徹底した世界観に魅了された大人のファンも多いです。
ぜひ読んでみてはいかかでしょうか。
「Good Night,And Have A Nice Dream」
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